今回クラシックの編曲作品の演奏を3曲お届けします。
編曲は僕が敬愛するギタリストそして作曲家の藤井眞吾氏によるものです。
まるでギターのオリジナルのような響きで、ギターの良さそして作品の良さをより引き出す編曲が特徴でそこに魅力を感じてます。
今まで慣れ親しんだ作品も、ギターの響きで新鮮に聴こえてくるのではないでしょうか。
曲目について
♪麗しき5月に(R.シューマン/藤井眞吾編)Im wunderschönen Monat Mai(R.Schumann/Arr. S.Fujii)
(イム ヴンダーショーネン モナート マイ)
よく「美しき5月に」 と訳されていますが、個人的にはうるわしきの方が好きなのでこのタイトルで読んでます。
もともとは歌とピアノの作品でシューマン歌曲集「詩人の恋」の中の1曲です。
歌詞の内容は青年の愛の歌、恋の喜びが歌われています。
しかしながら曲を聴いていただけるとわかると思いますが、
この曲調は美しく伸びやかなメロディーとともに、和音はなんとも儚く不安定な響きなんです。
複雑な思春期の恋、
ハッピーだけど不安な気持ち、
そんな青年の心情と5月の晴れやかな季節の風景が和音の響きによって表されている魅力的な曲です。
始まりも終わりも主和音ではないことも印象的ですね。
どの季節でも5月には
2つのワルツ(F.シューベルト/藤井眞吾編) (F.Schubert/Arr. S.Fujii)
♪ラストワルツ Letzte Walzer D.146 Op.127-18
♪別れのワルツ Trauer Walzer D.365 Op.9-2
ワルツはシューベルトが友人たちの前でBGMとして、
またダンスホールなどで伴奏として即興的にピアノで演奏したのがもとになっています。
それをメモ書きのようにして後で楽譜に清書しまとめて舞曲集として出版されました。
ギターにも馴染みのあるA.ディアベリです。
ギタリスト、ピアニスト、作曲家、出版社など事業家として成功しています。
歌曲と並んで初期の出版活動の中心となっていたようです。
そんな経緯もあって、ワルツは簡素だけれども
シューベルトらしい美しいメロディーに仕上がっています。
今は世界中で大変な状況になっていますが、
ワルツの作曲の背景のように、現実でもみんなが気軽に集まって音楽やイベント楽しめる状況に早くなってほしいです。
というわけで改めて、
シューマンの麗しき5月に
シューベルトの2つワルツをお聞きください。
編曲された楽譜は
今までコンサートでこの編曲を演奏すると、お客様からは
「楽譜はどこで手に入るんですか?」とよく聞かれます。
この楽譜は、毎月京都で行われている藤井先生のコンサートの特典のプレゼントして配られているものです。
コンサートでは毎月違う曲を希望者にプレゼントしてくれます。
京都にあるキャパ30席ほどの、蔵造りの古民家のスペースでのコンサート。
ギターの繊細な表現、音色を余すとこなく味わえる機会なのでぜひチェックしてみてくださいね。
僕は数回行ったことがあり、出演もする機会もいただいたこともあります。
4月と5月は中止になってますがその先の予定はホームページをチェックしてみてくださいね。
京都のコンサート情報はこちら▼
https://shingofujii.com/concert/cs2020/index.html
それではまた!
新野英之